先日、テレビの放送番組をまるごと録画できるレコーダー"タイムシフトマシン"が動かなくなりました。
メーカーに問い合わせたところ部品保管期限が過ぎているので修理はできないとのこと。
そこで、動かなくなったマシンDBR-M190を興味本位で分解してみました。
分解して、掃除して、組み立てただけですが、折角なので分解手順を記事にしようと思います。
レコーダーの中を見たい方、DBR-M190を分解しようと思っている方、ホコリまみれの基板を見たい欲求がある方(←いるのか?)、どうぞご覧ください。
※2022.1月追記:その後、ファンを交換して修理できました。
修理記事はコチラです↓
- 東芝のタイムシフト機能付きレコーダー「DBR-M190」
- 分解に際して
- 分解1.上面カバーを外す
- 分解2.側面カバーを外す
- 分解3.カバーを外して基板とご対面
- 分解4.ディスクドライブ、無線モジュールを外す
- 分解5.HDDを外す
- 分解6.前面カバーを外す
- 分解7.メイン基板を外す
- 分解8.基板下のファンを外す
- 最後に
東芝のタイムシフト機能付きレコーダー「DBR-M190」
分解するのは東芝のタイムシフト機能付きレコーダー「DBR-M190」です。
DVDプレーヤーとして、レコーダーとして、それから地上波全番組を録画してくれる「タイムシフトマシン」として、9年間大活躍でした。
【参考】タイムシフトマシンを紹介した過去記事↓
この度「ファンの動作が確認できません」的なエラーが表示され、自動的に電源が落ちる状態になりました。メーカーに確認したら、すでに部品の保管期限が過ぎているので修理は不可能とのこと。
そこで、新しいタイムシフトマシン↓DBR-M3010を購入しました。
newマシンの導入により現役を引退することになったDBR-M190。
興味本位で(&ファン周りのホコリを落とせば動いたりしないだろうかと淡~く期待して)分解してみることにしました。
分解に際して
今回、分解に使った主な道具はドライバーです。
ごく普通の↓こういう感じのドライバーセットに入っているプラスドライバーを使いました。
また、静電気は大敵なので、金属を触りながら分解しました。
本当はこういう↓静電気防止できる手袋をつけるべきところですね。
電源コードを抜いた状態で、分解を開始します。
分解1.上面カバーを外す
まずは、上面カバーを外します。
背面のねじ(赤矢印)を外したら、上面カバーを外すことができました。
赤丸の部分を拡大してみましょう↓
きゃー!ホコリー!
白く見える部分は全部ホコリでした。
細い隙間もすり抜けて入っているのですね、ホコリってスゴイ。
掃除機と布で掃除をしたら、本来の黒色になりました。
分解2.側面カバーを外す
お次は側面のカバーを外します。
樹脂にツメがあるので、少し上に持ち上げたら簡単に外れました。
はい、ここもホコリまみれです!
写真は左側面ですが、右側も同じ構造でした。
もちろん、右側も同様にホコリまみれでございましたよ('ω')
掃除をしたらキレイになりました↓
分解3.カバーを外して基板とご対面
本体の上部を覆うカバーを外します。
カバー上面のねじ(赤矢印)6本を外します。
側面に1つずつついているねじ(上図の青矢印、下図の青丸)も外します。
本体とカバーはしっかりとはめ込んでありますが、動きそうな場所を探していじっていたらスポッと外れました。
どうでしょう、内部全体的に白くなっているのが分かるでしょうか。
これ、ホコリの色です😱
粉糖をまぶしたデザートプレートみたい笑
ホコリの乗った写真で恐縮ですが、三分割して少し詳しく見てみましょう。
左側:電源回路、B-CASカード、ファン
左側には電源回路とB-CASカードの基板、それからファンが2つついています。
黄色で囲った基板は、電源回路と思われる部分です。
電源ケーブルを通ってコンセントから入ってきたACをDCに変換し、回路や部品が使う電圧を作り出しているところですね。
人間の体で例えると、吸い込んだ空気から酸素を取り出して全身に届ける"肺"みたいな役割のイメージか…かな?
青色で囲った部分はB-CASカードです。
上部には地デジ専用のミニカードが入っています。下部にはBS・CS・地デジ共用の赤いB-CASカードが見えますね。
本体背面からねじを外し、ファン(その1)を取り出しました。
すんごいホコリ…。
ファンの情報を書き出しておきましょう。
- 型番:AUB0612L
- メーカー:デルタ電子
- ピン数:3
- サイズ:60x60x25mm(←筆者の計測値なので厳密には違うかも)
- ケーブル長:8cmくらい?(←ちゃんと計っていないので信用薄)
型番検索で出てくるので、もしかしたら買えるかもしれません↓
※もしお求めの際は型番が同じようでもピン数やケーブル長、電圧、電流などをよーく確認してくださいませ。
B-CASカード横にもファン(その2)があります。
こちらのファンの詳細も書いておきます。
- 型番:AUB0512HB
- メーカー:デルタ電子
- ピン数:3
- サイズ:50x50x15mm(←筆者の計測値です)
- ケーブル長:10cmくらい?(←ちゃんと計っていないので信用薄)
中央:CD/DVDディスクドライブ、メイン基板
中央部分には、CDやDVDを入れるディスクドライブがあります。また、メイン基板と思しき基板の半分が見えます。
右側:メイン基板
右側には、中央↑部分で写っていたメイン基板がさらに広がっています。
下の方にどでかいチップが乗ってますね。
ViXSのトランスコーダ「XCode-4115」です。
動画のフォーマット変換を専門にするチップってことかな?(←違う?)
それにしてもすごいホコリ。
こういう↓除電ブラシや、
こういう↓ブロアーがお掃除に便利ですm(__)m
分解4.ディスクドライブ、無線モジュールを外す
表面の掃除をした後、ディスクドライブと無線モジュールを外しました。
つながっている2つのコネクタと4本のねじを外したら、ディスクドライブが取り出せました。
お次は、無線LANのモジュールと思われるところ。
このタイムシフトマシンは、無線LANに接続できる機種なのです。
アンテナにつながる同軸ケーブル2つと、コネクタ、そしてねじ3本を外したら取り出せました。
それから、無線LANアンテナ部分のネジを外さないとメイン基板が取り出せない場所にあったので、一つだけ外しました。
分解5.HDDを外す
基板の上に載っているHDD(ハードディスクドライブ)を外します。
↑HDDがちゃんと写っている写真がなかった😢
コネクタ2つと、ねじ3本を外してHDDを取り出しました。
このHDDは、おそらく通常録画用かな。
最近のタイムシフトマシンは通常録画とタイムシフトの容量割り振りを選べるようになっていますが、M190は通常録画用とタイムシフト用で分けられていました。
HDDの情報は以下の通り。
- メーカー:東芝
- 型番:MQ01ABD100
- 記憶容量:1TB
ハードディスクを外したら、メイン基板の全貌が見えてきました。
分解6.前面カバーを外す
さて、お次は前面カバーを外します。
本体の下方向から前面カバーを押さえている4本のネジを外したら、まずは金属部分が外れました。
樹脂製の前面カバーは、複数のツメで引っかかっているので樹脂が割れないように優しく外していったところ、パカっと取れました。
はい、ここもなかなかのホコリです。ホコリ慣れしちゃってもう驚きません。
前面カバーの下に隠れていた部分を見てみましょう。
前面左側:赤外線センサ部
前面左側には赤外線センサ(と思われる)部品が乗った基板があります。
リモコンから送られた信号を受信するところですね。
前面カバーを外す前の様子がコチラ↓
黄色で囲った辺りに赤外線センサ基板が乗っていました。
B-CASカードの右側にはUSBコネクタがついています。
実は、今回分解するまで前面にUSBコネクタがあったなんて知りませんでした。つまり一度も使われなかったというわけです…かわいそうなUSB君です。
前面右側:ボタン、LED
前面右側には、ボタンやLEDが乗った基板がついています。
前面カバーを外す前の写真と並べてみます。
それぞれのボタンや表示ランプと対応しています。
分解7.メイン基板を外す
いよいよ、メイン基板を外します。
方々からメイン基板につながるコネクタ8個(写真の黄色丸)を慎重に外します。
そして、基板上のネジ4本(赤矢印)と写真に写らなかったネジ2本(オレンジ矢印の辺り)を外しました。
テレビチューナーのコネクタ一つは、メイン基板を動かして外すしかないようなので、基板を本体前面方向へ慎重にずらしながら外しました。
メイン基板の裏側です。
大きなチップが2つ見えます。
上のチップ(青色で囲った部品)はTHine社の何かですね…ここら辺よく分からんです(;・∀・)写真がボケてて型番も分からず詳細不明( ;∀;)
映像系の何かを処理するやつかなぁ(←適当)
下のチップ(黄色で囲った部品)は、32ビットマイコン。
人間で例えると、「脳」みたいな役割(←だよね?)
マイコンの情報を書いておきます。
- メーカー:東芝
- 名称:MPM330FYFG
- ARMのCortex-M3コア搭載
さてさて。メイン基板の下はこうなってました↓
これくらいのホコリはもう気になりませんね。
3つ目のファンと、2TBのHDDが2つ出てきました。
これらのハードディスクの中にタイムシフト録画された地上波一週間分の番組が保存されていると思われます。
使われているHDDの情報はコチラ↓
- メーカー:日立
- 型番:hcs5c2020ala632
- 容量:2TB
分解8.基板下のファンを外す
基板下についていた、3つめのファンを取り外します。
コネクタ1つとネジ6本、それから本体背面方向から留めてあるネジ2本を外したら3つ目のファンが取り出せました。
いやぁ、安定のホコリまみれですね。
基板下のファンも型番を書いておきますね
- 型番:NUB0612LB
- メーカー:デルタ電子
- ピン数:3
- サイズ:60x60x15mm(←筆者の計測値)
- ケーブル長:23cmくらい?(←ちゃんと計っていないので信用薄)
さて。お楽しみのあのコーナーです。
取り出したファン下の基板はこうなってました↓
ぎゃーーーーー!ホコリが積もってるーー!
ホコリに慣れたと思っていたのに、ここは想像を超えるレベルでござんした。
そんなホコリ高きタイムシフトマシンの分解はここまで。
中を掃除して、分解と逆の手順で組み立てて、無事元通りになりました。
(ちなみに、掃除しただけじゃ治らなかったyo('ω'))
最後に
動かなくなったタイムシフトマシンDBR-M190を分解しました。
前回修理した5年前から積もり続けたホコリの量はなかなかのものでした。
おそらく、周辺をこまめに掃除していれば内部に入るホコリの量は減らせるのではないかと思います。新しいタイムシフトマシンはこまめに掃除しようと思います。
分解したマシンの今後ですが、ファン異常なのでハードディスクなどは生きていると信じ、もう少し遊んでから処分しようと思います。
最後に。分解するとメーカー保証の対象外と言いますし、そもそもユーザが分解するための安全設計はしていないはずなので、分解は自己責任で安全に楽しみましょう(^^)/
↓タイムシフトマシンが壊れてから新しいマシンを買うまでの流れ&記事一覧はコチラ↓